PRODUCT製品情報
分光照度計 LightSpex(2004年12月生産終了)
人の目に見える物体の色は、照明光が物体にあたり、物体の表面でこの照明光の特定の波長が固有の比率で吸収され、この吸収を受けた光が目に届くことで生じます。
人が色を見る場合の照明光は太陽、蛍光灯、高演色性蛍光灯、白熱電球、ブラックライトなど非常に多くの種類があります。
人の視覚は照明光の違いをよく補正しますが補正し切れない照明光も多々あります。
またある照明の元では同じ色に見えた試料対が違う照明の元では異なる色に見えるメタメリズム(条件等色)は全く補正できません。
これらの照明の諸条件を正確に測定し評価するのがLightSpex分光照度計です。
LightSpexを用いて色を評価する環境を整えることができます。
ユーザとの間に発生する色違いのトラブルの原因究明にも非常に役立ちます。
LightSpex分光照度計はオプションのファイバーオプティクスに輝度測定用キャリブレーションを行えば分光放射輝度を測定できます。
分光方式ですので色温度を非常に正確なCCT(修正色温度)として測定できます。
仕様について
分光測定域 | 360〜750nm |
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分光帯域幅/確度 | 4nm(FWHM)/±0.2nm |
光源校正 | A(2856K)、D65(6500K)標準 |
波長解像度 | 1.7nm/pixel |
照度領域/確度 | 〜0.1-10,000fc/±2%A&DでNISTトレーサブル |
観測者機能(CMFs) | 5nm、CIE1931 2°&CIE1964 10° |
反復精度 | ±0.1%短時間、±0.5%長時間 |
色度 | ±0.001(2856K、6500K) |
色温度精度 | ±25K(2856K、6500K) |
サイズ | 10×10×20cm |
重量 | 1.6kg(バッテリー内蔵) |
使用温度 | 15〜32℃ |
NISTキャリブレーション | 6ヶ月毎 |
I/O | RS-232C、Type2 PCMCIA |
照明条件と色
標準色見本とバッチサンプル等が、ある照明の下で同じ色に見えることを等色といい、どのような照明の元でも同じ色に見えることを同色といいます。
同色であるためには試験対の分光反射率が一致している必要があります。何色かの原色から色を作っている場合、1つでも異なる原色が使われれば、まず同色にはなりません。
クライアントから供給される標準色見本がカラープリンターによる印刷物で、製品が樹脂の場合などは同色はありえませんので、照明を一致しておく必要があります。
照明光の一致を客観的に判断するために分光照度計が使われます。また、同じことはディスプレイなどにも当てはまりこれには分光放射輝度計が使われます。
分光方式とフィルター方式
色を分析する部分の構造は分光方式とフィルター方式に大きく分かれます。
フィルター方式はある特定のフィルターの組み合わせでXYZやRGBを計測しますが、フィルター間の感度の重なりや抜けがあります。またフィルターの製造において膜厚や拡散のコントロールが難しく同じ物を作るのは困難です。そのため同一機種間でも測定値がばらつきます。
分光方式は近紫外から近赤外まで可視光を全て測定でき、感度の重なりや抜けも無く、色の絶対値が測定できます。グレーティングはマスターからのプレスで製作されるため、同一機種間の互換性が最も良い状態で複数の工場で同一の製品作成に応用されま
アプリケーション
- 事務所、工場、店舗など色評価やプレゼンテーションにかかわる照明環境を定量化し、演色性評価指数の高いより色が正しく見える環境を整備することで、クライアントとの間の色のトラブルを回避できます。
- 印刷物の目視評価の現場で照明環境を標準化できます。
- ディスプレイの分光放射輝度をそろえることでディスプレイでのプレゼンテーションにおける色のトラブルを最小にします。これはディスプレイプロファイルを正確に取るだけでは不可能であるためです。
- LEDやカラー液晶のピーキーな特性を分光的に正確に捉えよりナチュラルな色再現を目指す研究開発に利用できます。
- 照明やランプの設計/製造において、設計仕様書に分光データを明記し、製造時これに基づき検査を行うことで、色としてきわめて安定した照明やランプを供給します。
- ランプの研究開発において演色性の高い、大きな色再現範囲を持つランプを開発します。
- プロジェクションヘッドライトにおいて投光角度による照度と色見を正確に測定しより秀逸なレンズ設計につなげます。
- 歯科理工の分野で光硬化型補填材及び機材の研究開発に利用できます。(東京医科歯科大学)